リンク 英語
   
  ホーム   キューピーについて   キューピー グッズ紹介   キューピー ショップ 展示   キューピー おしらせ   キューピークラブ  
ローズオニール物語
 
 
Web連載 ローズオニール物語 第21話
世界大恐慌
 
 

1920年代から上向きに走り出していたアメリカの経済。皿洗い機や冷蔵庫、掃除機といった電化製品が次々に発明され、人々の暮らしも豊かになってきました。人々は、分割払いやローンを利用して、これらの製品を手にいれるようになっていきました。この頃から、一般の人々にも株式投資を始める人が増えつづけ、借金をしてまでも株の売買で利益を得ようとしはじめ、株式市場は異常な活性化をしめしました。しかし、1929年10月29日、ニューヨークの株式市場で突然大暴落が起こり、今までアメリカ経済が経験したことのない大恐慌が起こりました。この恐慌はアメリカ経済に依存していたヨーロッパにも、そして日本にもひろがりました。歴史に名高い世界大恐慌です。株式の下落は止まらず、人々はまたたくまに財産を失い、銀行の倒産によって預金も奪われ、企業は次々と倒産し、経済活動はいっきに低下。政府の政策も全く効き目がありませんでした

 

この恐慌の真っ只中、ローズの家族にも病魔がしのびこんでいました。弟のリンクは以前から病弱でしたが、さらに、カリフォルニアで暮らしていたローズの父、パパオニールも病気になってしまいました。さらに病魔はママオニールをも、襲いました。

 
 
ボニーブルックへ
 

ようやくローズは、カラバスでの生活を見直そうとしました。1932年、ローズは、60歳近くになっていました。長年カラバスに住み着いていた売れない芸術家たちに別れを告げる日、ローズはできるだけたくさんの食料と衣類をかれらに持たせました。そして数年後、パパオニールは亡くなり、彼の希望どおり南北戦争の老兵墓地で喪にふされました。ローズは、病の母のためにも、もう一度ボ二-ブルックにもどる事を考えはじめました。

1936年口-ズはママオニールの看病をするためボニーブルックにもどることを決心しました。ボニーブルックには、たくさんの少女時代の宝ものや家族の想い出がありました。たくさんの宝ものーそれは、子供時代の絵画やパパオニールの沢山の本、家族の写真。そして、その中には、ローズがヨーロッパ旅行の折に買ったナポレオンが所有していた2つの黄金の羽根の装飾がある椅子をはじめさまざまなアンティークがありました。三度ボニーブルックに戻ったローズ。しかし、確実に歳月は過ぎ、年をとらない不思議な人と呼ばれたローズにも、すこしずつ老いがしのびよってくるかにおもわれました。しかし、ローズの創作エネルギーは、常に体と心にみなぎり、新しい創作の予感にみちていました。(つづく)

   
  第22話へ>>
ローズオニール物語メニュータイトル
1.ローズオニール誕生へ
2.美術の道へ1へ
3.美術の道へ2へ
4.ニューヨークへ
5.ボニーブルックへ
6.結婚と離婚1へ
7.結婚と離婚2へ
8.結婚と離婚3へ
9.キューピーの丹治洋1へ
10.キューピーの誕生2へ
11.キューピーの誕生3へ
12.キューピークレイズへ
13.キューピーに託したものへ
14.第一次世界大戦へ
15.ワシントンスクエアーへ
16.モンスターへ
17.カラバス城へ
18.繁栄と不況の時代へ
19キューピーヴィレ誕生へ
カドルキューピー誕生へ
21.世界大恐慌へ
22.母との別れへ
23.ホーホーの誕生へ
24.新しい喜びへ
25.安らかな眠りへ