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ローズオニール物語
 
 
Web連載 ローズオニール物語 第16話
パリでの展示会「モンスターの発表」
モンスター/パリとニューヨーク評
  1921年展示会の様子
  展示会の様子
 

モンスター1 1921年パリのDEVAMBEZギャラリーで、当時では珍しかった、女性ひとりでの展示会がひらかれ業界を驚かせます。5つの部屋には107点の絵画と4点の彫刻等に溢れ、それらは人々が今までに経験したことのなかったものでした。そしてキューピー人形がそれらの傍に展示されていました。2日の予定で組まれていた展示会は、あまりの人気のため1週間に延長され、新聞は「不思議で深遠」「アメリカのアーティストにかつてみられなかったピュアなライン」と絶賛し、ギャラリーはその絵を競って購入したいと申し出ます。しかしローズは絵を手放す事を断り、その代わりとして、希望したギャラリーに1枚ずつ絵を贈呈しました。この展覧会後、ローズはアート協会よりサロンへの無審査展示の特権を与えられます。(当時サロンの審査に受かり展示されるだけで大きな権威となった)バリは一連のモンスターのアートを絶賛し、その才能を高く評価しました。ノルウェーのオスロー市は、市の公園に展示するためのイラストのひとつを、是非彫刻してほしいと依頼しました。

 

モンスター2 しかし、ニューヨークの批評家たちはローズの絵画を理解できませんでした。いや、キューピーで大成功を収めているローズがなぜ今さらモンスターを描くのかが、理解できませんでした。1922年ニューヨークで開催された展示会について、評論家はニューヨークタイムズで「キューピーの母、血迷う」と論説します。これを新聞で読んだローズははっきりと反論します。「どうして彼らは私を小さな箱の中にとじこめようとするのでしょう。あまりにも小さい箱に。なにものも、溢れるイマジネーションを抑えることはできない。」

 

新聞の酷評に反してここでも展示会は当初予定されていた期間が延長されるほどの人気を呼び、ウーマンシチズンは、「彼女はそれらをモンスターと呼ぶ。それらは文明と呼ばれるものが大戦争になる数千年も前から存在するもの。それらは前人間であり名前も理由も持たない、欲望で支配される半人間の創造物であり…絵と彫刻は力強く威厳がある。天才そのものの偉大さをもっている。すさまじく、素晴らしく、魂に訴えかける…」と長い称賛の論評を加えています。当初困惑で迎えられたこのアートも、その力強く幻想的な魂の叫びに正当な評価が与えられたのでした。

 

ローズのアートを見たある評論家は、それまでのローズの履歴を「才能の浪費」と評しました。そして「もし彼女がきちっとしたアートの教育を受ける機会があり、早い時期から家族のために働く必要がなかったならば、確実に偉大な芸術家になっていたであろうローズオニールと彫刻上。」と述べています。ローズは犠牲者だったのでしょうか。家族のために偉大な芸術家になるチャンスを失ったのでしょうか。それは誰にも分からないことです。ローズのふたりの夫たちが述べているように、ローズは余りにも家族を愛していました。たたひとつ、ロー ズが確信していることは、愛のため自分がしてきたことを後悔していないことでした。

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