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ローズオニール物語
 
 
Web連載 ローズオニール物語 第14話
第一次世界大戦
    キューピー
 

キューピーは、1910年代のアメリカ玩具業界最大のヒット商品になっただけでなく、世界的に有名になった世界初の人形でした。ローズは、最も成功した女性として脚光をあび、1913年に出版された「リプレンゼンテイティブ・ウーマン」(代表的な女性)という本の 中で、世界中から集められた著名な女性100人の中のさらに名誉ある17名のひとりに選出されています。
1912年から1918年の間、ローズは妹であり仕事のパートナーであったカリスタといっしょに、ほとんどをヨ一ロッパで過ごしています。
毎月人気連載中であっ たウーマンズホームコンパ二オン誌やグッドハウスキーピング誌の原稿をはじめ数多くの仕事は、ヨーロッパからアメリカの雑誌社に発送していました。以前のように生活費のために昼夜を分かたず働く必要もなく、ヨーロッパ各地に滞在しながら様々の分野の芸術家たちと親交を深めることができ、ローズにとって心安らかな充実した時代でした。

 

しかし、1914年に勃発した第一次世界大戦にアメリカも遂に参戦(1917)し、ローズたちはヨーロッパから帰国しなければなりませんでした。
ドイツ全土は戦場と化し、キューピー人形を製造していた数多くの工場もことごとく壊滅的な状態になってしまいました。1918年11月の休戦締結後、工場を訪れたローズは、割れてしまったキューピー人形が無残にもそのままに放置されているのを目にしなければなりませんでした。
それだけでなく、ローズが初めてドイツのキューピー工場を訪問した時に会ったあの職人たちの殆どが戦死していることを知らされました。
戦争が始まってまもなく、キュ-ピーを積んだ船がイギリス軍によって沈没されたことを聞いたローズは、「わたしは愛すべき者を無くした。彼らはイギリス海峡の底深くに沈められてしまった。かわいそうなキューピー…」と心を痛めました。
参戦したアメリカ国内では、強行な反ドイツ派の婦人が、キューピーがドイツ製であるという理由から「ニューヨーク湾に浮かぶ船に乱入し、積み荷の中のキユ-ピー人形を全て割ってしまう」と脅しをかけたという事件が伝えられています。
戦争は人々を確実に狂気へと導き、キューピーたちもまたその被害を受けていました。これによりドイツやヨーロッパでのビスクキューピー人形や食器の生産は終了し、生産はアメリカ国内へと移行していきました。(つづく)


ドイツの人形工場の写真 1918

1918年のドイツの人形工場 キューピーが所狭しとならんでいる

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