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ローズオニール物語
 
 
Web連載 ローズオニール物語 第7話
「結婚と別離」
二度目の結婚
 

離婚の悲しみを忘れようとするかのように仕事に没頭するローズのもとに、サインのない手紙や本やキャンディが届き始めました。長い間その贈り主がだれであるかはわかりませんでしたが、ついにパック出版社の編集者ハリ一レオンからであることが分かったのです。彼は出版社にイラストをもってくるローズを賛美し片思いを寄せていました。グレイとの葛藤も見聞きしており、バス代にもことかくローズにさりげなく数枚のコインを渡していたこともありました。しかしロ-ズは彼のことをよく覚えていませんでした。パックの仕事は常にアートディレクターのギブソン氏としていたからです。グレイと離婚したことを知ったハリーは、すぐさま自分の思いをローズに伝える行動を選びました。

ハリーはローズに求婚するためボニーブルックにやってきます。ハリーはグレイとは全く正反対の男性でした。グレイはハイソサエティの人々との集まりが大好きでしたがハリーの友達は小説家や芸術家でした。ハリーはグレイのように男前ではありませんでした。グレイはローズと同じように快活で社交的でしたが、ハリーは地味で無口で陰気な印象を与えました。しかし、彼はすでに多くの小説を書き成功していました。当初ローズはハリーの求婚をことわりましたが、夏が過ぎ冬を迎え、次の春が来、1902年の夏ふたりは結婚し、ニューヨークにもどり彼らの家を建てました。

 ハリーはかれらの家庭を街の知的な芸術家の集まる場にし、小説家・画家などが集まりました。彼は教養豊かで、ローズの仕事のよき理解者であり、ある時は励まし適切なアドバイスをしてくれました。彼のウィットのある言葉をローズは愛していました。ローズもまた、彼の小説の最大の理解者でした。ハリーはパック出版を辞め、べストセラ一作家になっていました。その影響を受けローズが最初の小説「エドウイの愛」を書いたのもこの頃です。ふたりは別々に小説を書き、またローズはハリーの小説の挿絵もたくさん描いています。ハリーは劇の脚本も書き成功をおさめました。夏はイーストコーストやコネッチカットで冬はボニーブルックでふたりは創作活動を続けていきます。

 

 

小説 「The Loves of Edwy」 エドウイの愛
小説、 イラスト共に ローズオニール作

 
 

仲のよい劇作家のターキングトン夫妻と船でイタリーの旅行にもでかけました。カプリ滞在中にハリ一とターキングトン氏は脚本を書き、後にブロードウェイで演じられ成功をおさめました。カブリ滞在中ローズはターキングトン氏から白い牛のような子犬をブレゼントされます。この犬こそ後に「キューピー・ドゥドルドッグ(通称キューピー犬)」のモデルとなる犬です。またこの旅の中でローズはイサドラダンカンなどの芸術家とも親交を深めています。
(つづく)

 

キューピー・ドゥドルドッグ

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